2008年10月30日木曜日

真夜中に、、、台所で、、、、。


いつからかは忘れたけど
いつの間にか パンをこねて焼く、ということが
じぶんにとっては 日常になっていた。
途中からは ホームベーカリーでコネだけしてもらうことに
なったけど それでも細々と作り続けてきた。

NYに来てからは ホームベーカリーが無いこと、
小麦粉の国産(日本の)が手に入りにくいことから
あまりパンを作らなくなった。

それでも思い出したように 時々手ゴネでつくる。
ぜんぜん おいしくないパン。
ほとんど自己満足の世界。
でも 真夜中には作りません。

さて 私の愛してやまないモーリス・センダックの絵本、
「まよなかのだいどころ」では
夜な夜なパン焼きおじさんによって
パン(正確にはmorning cake)が焼かれている。

この本、お話はもちろん楽しいし 翻訳(神宮輝夫)も
すばらしいのだけど 日本では味わえなかった部分が
あることにNYに来てから 気が付いた。
 
そう この風景、これはまさにニューヨークの夜!
なんていうか 地下鉄の7番線、アストリアのような風景だけど
実際はブルックリンのはず、、、
私はまだブルックリンに馴染みが余り無いので
何ともいえないが センダックはブルックリンに
長いこと住んでいたから きっとそうだと思う。

お話よりも この絵本ではやっぱり絵に惹かれてしまう。
細部を眺めると 色々な発見が!
(もともとはもちろん英語なんですが、)

←不良品はとりかえます???。
←やっぱりブルックリンか、、?!

ああ、子供に読むのをそっちのけで 
絵の隅々まで眺めてしまう。
そのうち TVチャンピオンで
「まよなかのだいどころ」選手権があったら
けっこういいトコまで 行けそうな気がする、、、、
あ、TVチャンピオン、もう番組打ち切りになるんだったっけ。

残念だなぁ。


というわけで 子供の絵本の大人の楽しみ方でした。

「まよなかのだいどころ」
モーリス・センダック 富山房発行







2008年10月21日火曜日

いろいろへんな色のはじまり




なかなか来ないバスを待っている間に
朝顔の種を採取。紫色のきれいな朝顔だった。
そういえば こどものころ朝顔の花びらを押しつぶして
色水を作ったり 絵の具のかわりにして
遊んだなぁ、、、、。

むかしむかしには 色が無かった、、、、
そんな書き出しで始まる絵本、
「いろいろへんないろのはじまり」。

この本を読んでウチの息子は
「お母さんが小さい頃は色があったの?なかったの?」と
本気で聞くようになった。
どうやら 昔のTVが白黒だったことも知って
当時は全てが灰色だったと 思い込んだらしい。

昔、色の無かった時代に 魔法使いがひょんなことから
色、というものを発明した。
最初は青。
しばらく世界は青一色になる。
しかし皆 その色だけの生活では 憂鬱になって具合が悪い。


そこで 魔法使いが研究し、
次は黄色を発明。
みんなはしばしホッとした。
しかし その黄色だけの世界も不都合が生じ、、、、、
(目がチカチカする。)

←赤は怒りっぽくさせる色。
                            石も噛んでしまうほど!


っていう感じで 魔法使いは発明しては失敗を繰り返す。
とうとう 赤色だけの世界で皆に文句を言われ
えーい!もう何とかならんか!と
なかばヤケになって あっちこっちの色をグルグル混ぜたりしているうちに
緑、オレンジ、茶色などの色んないろを作り出すことに成功。

そうして 世界にはいろんな色が溢れ、
住んでいる人も平和に暮らすようになりました、、、っていう話。

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小さな子供が色と色を混ぜると
別の色になる、このことを発見したときの感動は
きっとこの魔法使いと同じに違いない。

しかし ちいさなこどもに絵の具を与え
好きなように描いて遊んでいいよ、って言えるほど
わたしの心は広くない。
飛び散る絵の具、水浸しの画用紙
上手くかけない!!と癇癪を起こされ
楽しいアートの時間が地獄と化した経験が何度か、、、、。

絵の具系は学校に上がってから
心の広い先生のもとで 心ゆくまま楽しんで欲しいものです。

ちなみにこの絵本の作者は
「がまくんとかえるくん」のアーノルド・ローベル。
これまた日本語版は普通に流通してますが
洋書では入手困難のようです。

「いろいろへんないろのはじまり」
アーノルド・ローベル 作
まきた まつこ 訳
富山房発行







2008年10月15日水曜日

66丁目文庫①


                 さて 以前は仕事でしていた絵本紹介ですが
こちらへ来て2年、生活にだいぶ慣れたし
絵本ネタ および 子供の本のはなしも
だいぶ溜まってきたので
ここらで リハビリ兼ねて 本の紹介&雑文を
再開することにしました。

他で日常日記は書いているので
なるべく本のことに集中して進めていくことにします。
しかも もう商売関係無しで書きたいことが
書けるから ある種、言いたい放題かも。
暴走したときは ご容赦下さい。

今回は手始めに
「しずくのぼうけん」をば。

初版は1965年。
子供の頃読んだことのある人も多いかも。
今 現在も福音館から出ています。
絵の可愛い感じにつられこの本を買った場合
意外に話が高度なのに驚くかも。

理科、とまではいかないまでも
しずくの冒険を通して 自然の仕組みも
さりげなく書き込まれている。


絵もキュートなことながら
(日本語版の文字デザインは 堀内誠一!)
翻訳された言葉のリズムがよくて
しずくの冒険に劇的な効果を挙げている。
(大袈裟だなぁ、、、、)

作者、挿絵画家ともにポーランドの人たちだそうで
残念ながら この作品の他は入手困難。
この本も絶版にならないことを祈ってます。

「しずくのぼうけん」
福音館書店 
マリア・テルリコフスカ作
ボフダン・ブテンコ絵