2010年10月16日土曜日

ダレも知らない。

そもそも ファンタジー小説は私の好みではなかった。
なにが嫌なのか、特に理由はないのだけど
気づけば読まないジャンルだったのだ。
同様にミステリーも読むことが殆どない。

しかしある日 本屋で息子の読めそうな児童書を
探している時に 佐藤さとる・村上 勉という
二人の名前が目に入り、ビビビと来てしまった。
その ビビビとは 子供の頃 彼らの作品、
「おおきなきがほしい」を読んだことがある
記憶からだった。

幼少期、「おおきなきがほしい」に感化されて
ツリーハウスを作りたくてしょうがなかった。
庭の高い木に よじ登って遊んでいた私には
夢のようなプロジェクトだ。
しかし それは叶わず、かわりに兄貴たちが
近所に「基地」を作った。

その基地作りを手伝うにも 私はまだ幼稚園か
小1くらいだったので 具体的な大工仕事は
やらせてもらえず、
「釘を拾ってきたら 仲間に入れてやる。」といわれ、
あちこち 近所の地面を見つめて うろついたものだ。

さんざん 釘を提供し、労力も提供したにも関わらず、
完成した基地には「男だけだから」と 
一歩も入れてもらえなかった。
それは2階建ての 結構りっぱな建物だった、、、。
このことは いまでも兄貴たちも恨んでいる。(笑)

そんなこんなで、佐藤さとるという作家は
私の中では70年代の匂いのする作家だった。
ああ、そういえば コロボックル、って言葉があったなぁ、と
この青い鳥文庫を手にして パラパラ読んでみると、、、
見事にはまってしまった。

第二次大戦前後の時代が背景にあるものの
全く暗さを感じさせない話である。
そして 子供向けの小説とはいえ、幼い感じがない。
それは主人公が子供時代から少年期、青年期に
いたるまで話が進んでいき、彼の視点や思考の変化が
よく描かれているからだ。

ファンタジーの要素は コロボックルという小人たちが
登場するからだが、それも よく描かれていて
フワフワした感じがしない。
小人の世界を守るためにできることを 
ひたすら考えて実行していく青年。
今の時代でいえば その発想はエコロジーの
さきがけかもしれない。その辺も面白い。

結局2日もかからずに読み終わってしまった。
続編も読みたいが 日本から送ってもらわないと無理かなぁ。
仕方がないから 何故か「ドカベン」を
ひたすら読んでいる今日この頃。

、、、、、落差がはげしいなぁ、もう。

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